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高知の「大心劇場」へ / 2012-04-15 00:00:00.0

長年、映写機の保守整備に関わってきた加藤元治さんでも、「話は聞いたことがあるけれど、(実際には)見たことがないなぁ~」と、おっしゃっていた「流し込み上映」。

普通、映画館で上映する場合は2台の映写機で交互に上映をします。片方のフィルムが終わりそうになると、もう1台の映写機にスイッチングするのです。そして、その間にフィルムの巻き戻しの作業をします。
なので、何処の映画館でも映写機は2台あるのが当たり前なのですが、1台の映写機で、しかも止めることなく、次のフィルムを流し込んで上映する神業が「流し込み上映」なのです。
その流し込み上映をしている方がおられるとお聞きして、高知の「大心劇場」を訪ねることにしました。



カーナビが間違っているのではないかと不安になるほど人家の無い場所に「大心劇場」はありました。
高知県安芸郡安田町の人口は3,000人弱。映画館があるなんて、とても信じられない安田川の畔に「大心劇場」はありました。
しかも、手作りの看板が掛かっていて、それだけで、ぐっときてしまいました。



しかも、映写室に入ってびっくり!
最初から1台の映写機しか置けない環境なのです。
「父親も(流し込み上映を)やりよったし、何処でも同じかと思っとった」とのこと。
館主の小松秀吉さんは、中学3年生の夏休みから父親を手伝うようになったそうです。

最初の映写機はカーボン映写機。カーボン棒が燃焼して短くなると光量が弱くなってスクリーンが暗くなってしまいます。カーボン映写機での上映では、映写技師は傍らにずっと居て、カーボン棒を調整しなければならないのです。カーボン棒の調整をし、流し込みをし、フィルムを巻き戻し・・・と、本当に緊張の連続の上映だったそうです。
父親に「少し(カーボンを)見とき!」と、言われてドキドキしながら、覗き窓から眺めたと話す小松さんの顔に、少年の頃の誇らしげな表情が重なりました。

実際の流し込み上映は一瞬のことで、撮るといっても、貼り付けたフィルムがさぁ~と流れていってしまうので、緊張感はあるものの、緊張感が撮れているかどうか・・・。
細かな工夫がある映写室は、そのまま、親子の歴史が沁み込んでいるようでした。

今回は「流し込み上映」を撮影させてほしいとご連絡していたので、上映はお休み中。
館内の雰囲気も素晴らしかったので、これは、是非、もう一度撮影に!と思っています。映画館が一番イキイキするのはお客さんが入っている時ですから・・・。

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[2012-11-25 15:29:18.147]
森田 惠子 この記事を書いた人:森田 惠子さん
『小さな町の小さな映画館』に引き続き『旅する映写機』の製作・監督・撮影をしています。

コメント



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この記事へのコメント : 1

流し込み映写! : 流し込み映写は東南アジアでは沢山名人が居ますよ!私も諸外国で沢山見ました、又、YouTubeにもUPされてますね、フィルムを大切にしたい人は絶対にしない映写方法なので、サーカスの曲芸みたいな意味での面白さがポイントですね、何にしても映写機を二台持て無い貧しさとか、二台中、一台が故障した時の苦肉の映写方法ですね。

[2013-04-28 19:13:29.575]


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